2-48 フランスのカーン大学へ 

 
ヨーロッパ・中近東・インド経由で一度日本に帰国した私は、しばらく働いてお金を貯めてフランスに渡り、1年間のワトソン家からの奨学金援助も受けつつ大学のフランス語コースに通った。

たったの1年間だから違う町に住んでみたくて、夏休みまではノルマンディー地方にある カーン という町のカーン大学に通い、
夏休みは パリ の免税店でアルバイトして、
残り後半はフランス中部の ディジョン で、ディジョン大学 (現在はブルゴーニュ大学と改名されたらしい) に通った。

それらの地方や町、大学についてなどの情報は、今の時代だから、インターネットを始めいろんな方法で簡単に手に入るでしょ。
だから、ここではそういうのは簡単にして、それにまつわる中心にするね!





フランス地図

(クリックすると大きくなるよ。 
気が付いた? 北には海を挟んでイギリスがあり、
ワトソン家のあるウエールズもすぐそこ。






まず、 どうしてフランス語を勉強しようと思ったか

それはね、英語とスペリングがそっくりだったり、同じだったりする単語がたくさんあるってことがわかったから。

ううん、だからって、英語とフランス語は、同じヨーロッパの国だから似ているんだろうと思うと、それは甘いんよ。
個々の単語はいいんだけど、文法は然違う。
フランス語には男性名詞と女性名詞があって、使う名詞によって形容詞も変わって来たりするし、R の発音が難しいし、H は発音しなかったり、いろいろめんどうではあったけど。

ここで私が見た、
英語の読み書きを長年勉強した日本人がフランス語を学ぶ上での醍醐味
を、ちょっとだけ解説してみるね。 おもしろさが伝わるといいな。


たとえば、「私は美弥と申します」 は、英語では、
アイ アム ミヤ」 あるいは 「マイ ネイム イズ ミヤ

でも、フランス語では、
ジュ スイ ミヤ」 あるいは 「ジュ マ ペール ミヤ

”私” とか ”あなた” とか "BE 動詞” とかの簡単な単語は、全然違うよね。

ところが、難しい単語ほど似ているというか、つづりはそっくり同じだったりするわけよ。 読み方(発音)が違うだけで。

たとえば、
「組織」の organaization は フランス語でも同じ。
でも読み方が、

オルガナイゼーション」(英) と 「オルガニザシオン」(仏)

「大臣」の ministerミニスター」 は、
       ministereミニステア

「環境」の environmentエンヴァイロメント」 は、
       environnementオンヴイロモン

こんな風に、たとえ読み方はわからなくても、見れば意味がわかる。
日本人だったら、わかる単語がたくさんある。
それだったら、初心者のうちはさっぱりわからなくても、レベルが上がるにつれて、難しい単語も簡単に使えるようになるんじゃないかって考えたわけ。


それを裏付けるエピソードをひとつ。
実際、こんなことがあったんよ。

ある日私は文章の中に、 subtil という単語を見つけたの。
あれ? これって、英語の subtle とそっくりじゃない?
英語の「微妙な」って単語だけど、英語では b を読まずに、「サトゥル」
って発音するから、受験用教材に必ず出てて、覚えてた。

それでね、いちかばちかで聞いてみたの。先生に。
「これって、”デリケート” みたいな意味ですか?」って。

そしたらね、先生が、

まあ!! 入門クラスにいるのに、どうしてあなたはこんなに難しい単語を知っているの? 
そうよ、その通り、これは、一種の デリカット って意味よ!」

フランス語では、英語と違って、まん中の  もちゃんと発音して、
スブティル」 だった!

改めて書き出すね。

(英) subtle   「サトゥル
(仏) subtil   「スブティル

フランス語の方が、そのままじゃん、読み方は。

ちなみに、delicate (デリケート) は、
delicat (デリカ = 男性形) delicate (デリカット = 女性形)

table 「テーブル」 は、同じつづりで
table 「ターブル」。

ほんと、そのまま読めば、どうにかなる。

長くなったけど、
そういうわけで、私はフランス語に挑戦することにしたんだ。

その上、フランスといえば芸術とファッションとお料理にも惹かれるでしょ。住んで楽しそうじゃん。


じゃ、そろそろカーンの話をするね。

カーンは、フランス南西部の海岸沿いにある、ノルマンディー地方にあり、イギリス海峡を挟んで、向こう岸はイギリス。
映画 ”シェルブルグの雨傘” の舞台になったシェルブルグや、モンサンミッシェルも近くて、クラスメートたちとお休みに行ったし。

丘の上に古い城跡と近代的なカーン大学がある。
それがすごい特徴的。
だから町に下りて行く時はいつも、城壁の脇を通って行ったよ。



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下の写真右上の城跡の向こうに、近代的な白っぽい建物群があるで
しょ。それが
カーン大学
そこに四角いグリーンの部分が見えるよね。  
                     
   
カーン絵葉書


下の写真で、私たちはその四角いグリーンのキャンパスの上の
部分、橋のような渡り廊下の前にいるよ。



カーン大学日本人学生仲間2 
       
カーン大学にいた日本人学生たち何人かと

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ところで、日本の空港でイミグレーションを通過した時、係官が私の国際学生証を見て、
「ほー、フランスの国立大学ですか。すごいですね!」
って言ったけど、フランスには私立の大学はないので、みんな国立大学なんだよ。

そしてフランス語を勉強したい外国人学生は、国立大学文学部に併設された語学コースを取ることになる。
大学本科に入る前の準備段階的に設けられているのかもしれないね。

カーン大学では、フランス語の入門と初級クラスを修了した。
イギリスで受験のための詰め込み勉強をしたので、フランス語は試験や資格取得には関係なく、のびのび滞在を楽しみながら勉強することにした。

大学の学生寮にも入れたよ。
ここでは隣の部屋の住人、ノルウェー人のオーセルという女の子と仲良しになって、しょっちゅう一緒に食事をしたり買い出しに行ったりした。

学費は、マムの遺言もあり、ワトソン家で援助してくれた。
私の恩返しは、一生懸命勉強すること、そして大学生活の様子をまめにワトソン氏に報告することだった。

ワトソン氏は私からの手紙をとても楽しみにしてくれて、それはワトソン氏が亡くなるまで続いたよ。お子さんがなかったしね。
あしながおじさんだ。

イギリスとフランスに住んでみて感じる大きな違いって、何だと思う?
それは食べ物だよ。

フランスでは何もかもがおいしい。
食器も出し方も場所の雰囲気作りもセンスが良くて、食べることは人間の生活にとって大きな要素を占めているから、つまりはそこで生活していること自体が楽しいってことだよ。
ワインも安くて美味しくて、レストランでは、ランチタイムサービスでさえ、デキャンタに入れた安いワインが水代わりに飲まれていた。

(誰かが、「この1本500円のブルゴーニュワインも、輸出されて日本に行くと2000円になるんだぜ」なんて言ってた。ホントかなー…)

そして、ワインはグラス一杯なら、飲んで運転してもいいんだってよ。
へー、おもしろいね。
ワインを飲むことが、日常生活の一部になりきっているんだね。
日本だったら、人によって一杯でもすごく酔っちゃう人もいそうだけど、きっとフランス人は、一杯くらい何でもないんだ。

それにちょっと関係あるかもしれないけど、フランスでひとつびっくりしたし大変だったのは、水道の水が飲めないこと。
だから、スーパーまで週に何度か買い出しに行く時に、水と牛乳の入った重いレジ袋を持って帰らなくちゃならない。
しょっちゅう行くのは大変だから多少は買いだめするでしょ。
だからその袋の重いこと。

日本で蛇口をひねりさえすれば水道の水が飲めるって、すごいことだよ。

カーン大学キャンパスと寮を、写真でもうちょっと紹介しとくね。
ここから行った、「ノルマンディーとブルターニュ地方そちこちの旅」は、そこそこ枚数があるので、スポット観光編に入れることにするっち。
                                            


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カーン大学キャンパスシンボル

これ、四角いグリーンの芝生にあるカーン大学のシンボルの造形物。
ふもとにいるのが人種多様なクラスメートたち。



img394.jpg

同国人学生たちと。


カーン大学学生

異国人学生たち。遠くに見えるのも大学の建物。
(移動が大変?)





寮入口でオーセル  オーセル

私たちがいた学生寮。(入口にいるのはオーセル)
オーセルは男の子みたいでね、買い物の袋をいつも持ってくれた。




カーン大学寮の窓から

寮の窓辺。まわりには近代的なビル。


カーン大学生証

学生証。「ユニバーシテ」 って書いてある。
日本人なら中学生でも、見ただけでわかるよね!

個人情報ではあるけれど、もう30年以上前のデータなので、
とっくの昔に消滅していて問題ないでしょう。




 この周辺の町のプチ観光は、またあとでゆっくりこちらをどうぞ 

 スポット訪問記 Vol.8 フランス ノルマンディー地方(1)  

 スポット訪問記 Vol.9 フランス ノルマンディー地方(2)  




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