2-19 半地下室の仲間たち 


私たちの半地下には3つの部屋があり、全住人は、御手洗君ことひろとと、彼のルームメイトとして後から来たメキシコのプレイボーイ、ベニートと、マリアと私。
そしてもう一人は、小さな奥の部屋を占領していたパリのファッションモデル、ジョセフィーヌ。

彼女目当てか、マリアの親しみ易さに惹かれてか、ひろとと私を馬鹿にすることによって安らぎが得られるのか、そこはいつの間にか日本人のたまり場になってしまった。

クラスメートのスイス人で口髭のステキなオスカーと、その理知的にして優しい恋人、エヴァも、海賊の頭領のようなイメージの、弁護士の卵というベネズエラ人、ロベルトも加わって、週末というとパーティーだ。

「おい、美弥、ワイン買っとけや。」
「おい、美弥、ちゃんとそうじしとけや!」
(もちろん、言ってる人、わかるよね (¬_¬) )


そんなある夜のこと。
マリアも私も早めにベッドに入り、いい気持ちで眠っていたところ、誰かが、

”コンコンコンコンコン!” ”コンコンコンコンコン!”

と、けたたましくドアを叩くんだ。

(日本では少し間隔を開けて、”コン コン” ”コン コン コン” と2回か3回ずつ叩くけど、こっちではここざみに5回がふつう)

寝ぼけまなこでドアを開けてびっくり。
そこにはまだ20才前後に見えるイギリス人青年が、ニコニコ笑って立っていたんよ。

それが謎の大家さん、オックスフォード大学生のウイリアムとの初対面だった。

実はこの半地下は、ふだんは彼と彼の仲間が借りているんだけれど、夏休みの間だけ私たち外国人学生へのまた貸しを引き受けたというわけ。

こうしてウイリアムとその知性派仲間のオックスフォード大学生たちも加わって、クリックロードの半地下は、英会話実践教室、国際問題討論会場、くつろぎの園、そして美人鑑賞の場になったのだった。
 



****************************


ノックの仕方の違いが出て来たところで、今日はイギリスに来て発見
したおもしろい風習やシステムの違いをいくつか紹介するね。



ジョンレノンのめがね

イギリスでは医療費が無料だった。
それは滞在中の外国人旅行者に対しても同じ。

だから、飛行機代を出して来ても安くあがるので、アメリカからわざわ
ざお産に来た人もいるって聞いたよ。

その後、処方される薬代だけ一律10ペンス(当時70円くらい?)
負担になったけど、すごいよね。
私が歯医者さんに行っても、無料だった。

(現在も、NHS=国の医療サービス は診察料無料で、処方箋代が
有料のよう。旅行者は6か月以上滞在で適用らしいです)

お医者さんは薬もむやみには出さず、風邪で行っても、
「フルーツでもたくさん食べて寝なさい。」 くらいしか言わない。
そして、かかりつけのお医者さん制度のようなものが普及していた。

もちろん、お金を出してもっと贅沢な(?)医療サービスを受けたけ
れば、受けられる。

それに関して発見したこともうひとつ。
ジョンレノンの眼鏡ね、あれ、その無料医療費システム上でもらえる
無料の眼鏡なんだって。
ファッションでなく、必要な人に無料で支給される眼鏡だから、あんな
簡素なデザインだったんだ!


老人福祉が充実

イギリスでは、60才(だったかな)以上の老人には、お金持ちにも貧
乏な人にも同じ額の年金が支給されていた。
(どうして同じ額かというと、貧乏な人がお金持ちよりたくさんもらうと、
それを目当てにもっともらおうとして働かなくなってしまうからだって)

そうして、“人間として暮らして行くために必要最低限の金額” を誰も
が平等にもらえた。
だから、子どもが望みもしないのに親の面倒を見ることもないし、親も
肩身の狭い思いをしながら子どもに面倒を見てもらう必要がなかった。
お互いに持たれ合ったり重荷になったりせずに、自立できた。

老人はバスが無料とか、いろんな割引サービスも充実していた。

ただ、何でもいいことばかりじゃなくて、問題も。
社会保障が充実している分、税金が高くて、給料の半分という話も
聞いた。
夫婦で働いているともっと高かったので書類上は離婚して、夫婦、
家族が一緒に住んでいるケースもあったよ。



指を使っての数え方

日本では手をグーの形で閉じて、小指から開いて1、2、3と開いて
行くのがふつうだと思うけど、こちらでは親指から開いて行く。
薬指あたりが難しいと思うんだけど、風習って面白いね。


お釣りの渡し方

日本では、たとえば1500円のものを買って2000円出せば、さっと500円のおつりをくれる。

でもこっちでは、
「1500円」と、スタート金額を言ってから、「1600円、1700円」と、払った額の2000円になるまで、お客さんの手のひらの上にお釣りの金額を、出した金額まで渡しながら足して行く。

1572円なら、「1573円」~「1600円」までまず1円玉をいっこずつ返し、それから「1600円」~「1700円」と2000円まで
100円玉をいっこずつ数えながら返して行く。

だからお札が加わると、その上にお札を1枚1枚数えて、渡した金額まで返す動作が加わる。

日本人のお釣りの出し方は ”引き算法”、こちらは “足し算法” とかいうらしいけど、こっちの人は引き算が即座にできないというか、苦手らしい。

数字に弱い私には、とってもいい国! 




     国際下宿半地下室 出入りメンバーレポート


                       
   マリア (下の写真 中央) の大のお気に入り、
   四隅定夫さん(下の写真 右)。
  ジェントルマンで、英語力も抜群。 国際商社内定のエリート。
  なぜかあだ名は ”ちゃんちゃんこ”
               
 
  ↓ パリのファッションモデル ジョセフィーヌ     

地下室の仲間たち

    誰もがうらやむお似合いカップルの オスカーとエバ




パイプ先生とエヴァ     パイプ先生とジョセフィーヌ

ひろ(後ろ)と、いつもパイプの煙をくゆらせていた体育の先生



外国人仲間たち    日本人仲間たち

  ↑ プレイボーイのベニート



下宿の部屋で   
  ← マリアにあげる
     ミトンの手袋を
     編んでるとこ
     だよ

    






3人組

        ↑ 口のわるーいおっちょさん

上の場面で登場していないので、これ入れとくね。
これは学校で開いたパーティーで撮ったもの。

日本人には言いたい放題言ってたけど、外人女性にはモテモテだった。
( きっと英語では、言いたい放題は言えなかったからだヨ。 
ヽ(`エ´*)ノ )






楽しい思い出なので、写真を載せました。
  一部の方々の了解は得ています。 

日記形式なので、イギリスに関する情報は当時のものです。

  おっちょさんはまだ独身で、花嫁募集中です。 
  いかがですかぁ!? 
  ちなみにてっぺんはかなり涼しくなっていますが、中身は変わって
  いませんよー。






Comments

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する