2-17 マリアとの出会い 


住宅街のメインストリートをいくら歩いても、レストランはおろか喫茶店もお店も見当たらない。
真っ暗な道路には枯葉が舞い、家々の窓にはカーテンが引かれて、その隙間からかすかな光がもれているくらい。

やっと見つけた6畳ほどのわびしい小さなファーストフードショップ、ウインピーでハンバーガーをかじったあと、その社長の息子、御手洗博人君のホテルの予約にお連れで行くと、

それは由緒と伝統という言葉にピッタリの、オックスフォード ランドルフホテル。
表にはドラゴンの旗ひるがえり、年期の入った木の回転ドア、ピカピカに磨き上げられた手すりや調度品、ふかふかの真っ赤なじゅうたん。

相向いには、スポットライトに照らし出されるギリシャ風の白い大きな建物、何でしょう?
(あとで、アシュモリアン博物館とわかる)

Z ターンして送ってくれた御手洗君と下宿やさんに戻ってみると(いちおう、いいとこあるじゃん)、あら、半地下に電気が点いている。

今度は正式に玄関に回り(!)、ピンポンとドアベルを鳴らしてみる。

ドキドキして待つと、ドアを開けてくれたのは、日本ではほとんど見かけない体型と、愛くるしい人なつっこさを合わせ持った外人女性。
これが後に地球を半まわりしても会いに来るほどの仲良しになるアルゼンチン女性、マリアとの出会いだった。

「 カム イン 」

彼女は私たちと同じ学校のコースに出席するために、2~3日前から私たちの侵入した部屋の向かいの部屋に住んでいるんだけど、大家さんにはまだ会ったことがないって。

何て親しみのある優しい表情、声、話し方。
年はずっと上みたいだけど無邪気さが自然で、何年も前からの知り合いのように、こちらはぐんぐん惹きつけられてしまう。

マリアは、私たちの身の上に深く同情してくれた。
御手洗君はとうとう、ひとこともしゃべらなかったけど。

その夜。
私は、くやしさでとても眠れなかった。

踏むべき手続きはすべてきちんと踏み、払い込みも全額済ませ、遠い日本から右も左もわからない国へやって来る私たち外国人学生に、この受け入れ体制って何だろう?

もし3階のお姉さん、ジェーンや、マリアが遅く帰っていたら、私たちは暗くて寒い路頭で、荷物を持ったまま右往左往していた。

翌朝学校で文句を言おうにも、日本式発音で文句を並べるだけでは話が通じるはずはないので、お手上げだ。

それで思いついたことが、初めての自主的課題英作文への挑戦。
題して、「オックスフォードの初日」。
言いたいことをできるだけ正しく校長先生に伝えるため、辞書を引き引き大奮闘した。


翌朝のこと、いっしょに登校したマリアが事務所であれこれ秘書と話し合ってくれたが、いっこうにらちが開かない様子。

聞いている私には2~3の単語が時々判明できるくらいで、あとはさっぱり。
何か聞かれても、相手の使う単語の端はしから全体を想像して、「イエス」 とか 「ノー」 とか答えるだけ。
それがかえって混乱をきたすので、どうどうめぐり。

レベル別クラス分けテストの時間になったけど、そういう訳で私は誰がどう見ても初心者。
あまりに一目瞭然だったので、テストは受けずにABCから始める初心者クラスに入れてもらったけど、

秘書さん、うなずいて異議なし。






   ミニ オックスフォード案内




バンブリーロード2  オックスフォードの住宅街の真ん中を
  走るバンブリーロード。  
  学校はこの道をずっと行ったところの
  右側、
  下宿はまたその先を左に入ったところ。

  
   ね! お店も何もないでしょう?!




バンブリーロード   バンブリーロードとその脇道と
   自転車に乗るオックスフォード大学
   女子大生。
  
   たくさんの学生が自転車を利用。
   私たちも期間レンタルで借りた。






アシュモリアン博物館

アシュモリアン博物館
イギリスで一番古い公立博物館だって




オックスフォードの語学学校

私が最初に行った学校 (当時の白黒パンフより))
看板はない




OXハードフォード&ニューカレッジ

ハートフォード カレッジ と ニューカレッジ



溜息橋

上の絵葉書の通路 (ためいき橋) の前にいるよ






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