2-12 ピカデリーサーカスで 


ちょっと上野駅のような、国際線、国内線の集まるビクトリア駅に着いて、見るとロッカーは使用禁止。
このごろIRA(アイルランド協和国軍)がひんぱんに爆弾をしかけるので、国鉄は神経をとがらせているんだって。

駅前で、イギリス料理ならぬウインピーのハンバーガーでもかじってホーランドパーク内にあるユースホステルへ向かおう。

この国は英語が通じる(当たり前)ので楽。
みんな、こちらが少しでも英語を解するとわかれば、やさしくていねいに応対してくれる。

空気はひんやり。
心細さって、温度と明度に比例するのかな…。

ロンドンの地下鉄では、中近東からやアフリカ系の人が多いのにびっくりした。
切符切る人から、乗務員さん、清掃夫に至るまで、ほとんど彼らで占められている。

人々の表情は、いつもどんよりジメジメしたお天気のせいか、生気がなく、着ているものにもパリのような軽快さはない。

イギリス女性を観察しても、全体的に作りも表情も似通っていて、はっとするほど魅力的な人はあまり見かけない。
(ごめんなさい。これが正直な感想だったので…)

海峡ひとつ隔ててこんなにも風俗が違ってしまうんだろうか。

ホーランドパークは、地下鉄ホーランドパーク駅から徒歩10分。
入口に黒い立派な鉄門のある小さな公園で、その並木のはずれにユースホステルがあった。
ここも設備がよくて、宿代60、朝食30、貸しシーツ20ペンス。
しめて一泊830円。(パリは680円だった)

夜は、パリのユースで別れたイギリス人家庭に滞在中のA子さん、
それからJISのチャーター機で同じく家庭滞在のためロンドンに向かうところだったB君と何となく待ち合わせをしたピカデリーサーカスへ。
お互いにどんな状況になるかわからないので、“その時間に、そこで会えたら会おうね” ってさり気なく言い合って別れただけで、固く約束し合った訳じゃないから、本当に会えるかどうかはわからないんだ。 


ピカデリーサーカスは、リージェントストリート、オックスフォードストリートなど、いくつもの主要道路が出合うロンドンの中心的広場で、中央にエロスの像(誤解のないように。エロスって“愛”という意味なんだって!)と呼ばれる青銅色のアルミニウム製キューピット像があるんだけれど、
その土台がぐるっと階段になっていて、待ち合わせの人々や暇な観光客のたむろし場所になっている。

重厚で誇り高く上品な街並みのロンドンの中心に、新宿の歌舞伎町かロサンゼルスかどこかの繁華街が移植されたような地点で、大きなコカコーラなどの色とりどりの看板にネオンサインにぎやか。
温泉街のおみやげ屋さん風のお店が軒を連ね、店員さんはほとんど、日焼けした顔や髭のりりしい、月の砂漠のアラブ人さんたち(?)。

オフストリートの小さな路地にはポルノ映画館やストリップ劇場が所狭しとひしめいて、懐かしい漢字の中華料理店の看板もちらほら。

A子さんとB君を待ちながら、

「やっぱりエスカルゴとワインをあきらめて、B君と同じJISの飛行機に乗ればよかったかなあ…。
それとも両方とるべきだったか…。」

などと、みみっちいことを思い巡らしていると、現れました!救いの神。







ノスタルジック ピカデリーサーカス


ピカデリーサーカス2


ピカデリーサーカスの写真がないので、前ページのロンドンの
絵葉書の中にある、小さな一こまを拡大した。

ふた昔もみ昔も前のたたずまいだね。
現在の様子は、インターネットで調べて見て。
看板のデザインの違いがおもしろいと思う。
今でも ”より垢抜けた” コカコーラの看板があるみたいだよ。
エロスの像の画像も見つかるはず。
 
夕暮れ時、私はこの右下の像の階段に座って、A子さんと
B君を、ひとりポツンと待ったんだ。




エロスの像台座

エロスの像 台座



たぶん、リージェントストリート


リージェント2


ピカデリーサーカスへ続く通りのひとつで、
高級店やブランドショップが並ぶ。
この写真は、別の時に少し歩いて反対側から撮ったもので、
ピカデリーサーカスはこの先にある。








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