2-11 ドーバー海峡ひとっ飛び 


またひとりになった。
今日は、ロンドン行きのあやしい飛行機に乗る日です。

ユースホステルでみんなが調べて描いてくれた地図を片手に、その飛行機会社の出張所に辿り着き、空港行きのバスに乗れたまではよかったんだけど、そのバスが…
のどかな田舎道を走り続けるだけで、2時間経ってもどこにも着かないんよ…
 (゚Д゚;)
言葉は通じないし。
マジ、かかる時間に比例して不安が募った。

そうして、バスが着いたのは、ヨーロッパ大陸は地の果て。
すぐ目の前はフランスとイギリスを隔てるドーバー海峡。

つまり、航空切符といえども、
「陸のギリギリまでバスで行き、海を ”ひとっ飛び” して向こう岸に着いたら、またバスでロンドンまで」ということだったんだ。

さすが、密輸切符と疑われる程の格安切符だけのことはある。
所要時間5時間半のうち、飛行機搭乗時間、たったの40分なり。

小さな管制塔があるだけの野原の真ん中から飛び立つ、おもちゃみたいな小型機で、定員30名。
ブルブルとプロペラエンジンを必死で回しながらドーバー海峡の上を飛ぶのだけれど、低空飛行のため、船の甲板のおじさんの顔まではっきり見える。

楽しいじゃないの!♪

ちゃんと青い目をしたお人形のようなフライトアテンダントさんも乗っていて、にっこりして籠に入れたキャンディーを配ってくれた。

何もかもかわいいの!

飛行機は、ダダダダ、ビュンビュン、というような大きな音を立てながら、
キラキラと光る水の上に、大きなとんぼの影を落として飛び続ける。


イギリス上空にさしかかった時は、『これはもしかして本当におとぎの国に連れ込まれてしまったのではないか』 と思った。

ドーバーの絶壁が銀色に輝き、その向こうは地面一面、隅から隅まで緑色。
それを地に、赤いれんがの屋根の家々の白壁が陽の光を受けてくっきり浮かび上がり、最初は何かと思った真っ白い点々の群れは、もこもこの羊さんたちだった。
絵本の色の組み合わせそのものなんだ。


イギリスは入国が厳しいといわれている。
十分なお金と学校の入学手続き済み証明書があっても、身なりや人相で追い返されることもあるそう。
私も所持金を調べられ、帰りの切符の提示を求められた。

「ロンドンの旅行代理店で預かってくれています。」

ユースホステル族の指導により、前の晩暗記した通りに言うと、
「OK!」 スッ。

両替を済ませ、英国バスに乗ると、道路の両脇に咲きそろうマーガレットの白さも、牧場の緑に加わって、いかにも “清潔で明るい国” という印象を受ける。


ところがロンドンに入ったとたん、その印象もがらりと変わった。
街並みは立派だけれど、どこかごみごみしていて暗いんだ。

“ひと昔前までは、家庭で使う暖炉のばい煙がロンドンの町と空を真っ黒にしていた” と聞いたことがあるけど、
その頃、町中をすすけさせたよごれはそのままのよう。
大きな建物の外側をお掃除するのは大変だものね。
”チンチムニー チンチムニー♪” の歌の通り、煙突掃除小僧もいたんだなって納得できた。
(サンタクロースはどうやって、真っ黒な煙突の中を通り抜けたんだ
ろう??)

それにしても緑地帯が多く、赤い二階建てバスや黒塗りの50年代クラッシックカータクシーがよく映える。

真っ赤な制服に金ぼたん、紋章入りの銀の帽子をま深にかぶった、りりしい兵隊さんたちが黒馬に乗って車の列の中をパカパカ通り過ぎた時には、

『これはやっぱりおとぎの国に連れ込まれたに違いない』

と、一人うなずいた。

お祭りでも何でもないのに、いい大人があんなおべべを着て、今世紀の交通渋滞道路をさっそうと行進するでしょうか…。(;´Д`)  

でもすごくかっこよかった。
良く似合って、ピッタリさまになって。

日本の都市の、どちらかというと地味なモノトーン調世界を思えば、
突然カラーの世界へ踏み込んだっていう感じだ。







ドーバー海峡と、ドーバーの白い壁

ドーバーの白い壁web
  
右方向がフランス  
石灰分が多く、こんな色をしている
どおりでイギリスの水もカルシウム分が多く、やかんの中が
白くなっていた。




表面をそうじ中の、ロンドンの建物

ビルのすす取りweb用

黒いのは、すす    ↑そうじ前  ↑そうじ後



弟に送った絵葉書

ロンドン絵葉書弟宛web



弟に送った絵葉書 文面

弟への絵葉書文面web




鮮やかなユニフォームの守衛さん

守衛さんweb用

クリックして、靴のデザインとかも見てみて。
日本男児は、きっと着ない…。 ウン。





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