2-4 セーヌ河畔のユースホステル 


さて、無愛想なボーイに無理矢理サービス料金を取られ、ユースホステルに向かって郊外電車に乗ると、やがてあたりは緑いっぱいの田園地帯。
森や林が風に乗って飛んで行く。

ショワズィル・ル・ロワ駅は、セーヌ河畔にあった。
ユースホステルは向こう岸。
空が暗くなり、雨が降り始める。

イメージ狂う灰色のセーヌ河を見ながら橋を渡る頃、二人の日本男児は、重い荷物にヒイヒイ。
私は身軽にトコトコ。
7キロのバックパックに、本の詰まった手提げかばんひとつだもんね!

マロニエらしき並木道や狭い路地、家々の角をうろうろして、とうとうユースホステルに着いた頃には、3人共、ずぶ濡れ、へとへと。
まずは入口でひとやすみした。 フー

このユースホステルは、パリにあるユースホステルの中でもわりと大きくて、設備がいいのだそう。
近くにキャンプ場もあるとかで緑が多く、近代的な宿舎もふんだんにとった芝生の敷地内にあり、その建物の暖かい明かりに浮かび上がる緑のカーペットは、小さな白ひな菊の群れのまだら模様。

チェックインを済ませ、ミーティングルームに行くと、いるいる…
日本人旅がらすさんたち。
“何日といると皆、顔なじみになり、行動も共になりがち”
というのが日本人。
外国にいるということから同国人意識がひときわ強くなるのかな、
それとも、日本語が話せる気安さからかな。
さっそく美弥もグループデビューを果し、
シャワーを浴びて、簡素だけれどしっかりした夕飯を楽しんだあと、安くておいしいビールを飲ませてくれるというお店に揃って出かけた。

世界のあちらこちらをさまざまな方法、手段で旅している逞しい人たち。
あー、ワクワク、嬉しいな!!
こんな人たちに世界各地のユースホステルで会うのが夢だったんだ。
いろんな生きた情報が聞けるね!

インド経由で来た、髪、髭もじゃもじゃの仙人ような人。
耳にピアスをした青年。
場所に不釣合いの、三つ揃いスーツを着た自称商社マン。
雪のスペイン山中で、エンジンをかけっぱなしのオートバイにしがみついて一夜を明かし、命をとりとめたという青年。
それに、有給休暇を取ってパリへ遊びに来ているというOLさんたちの聴衆も加わって、旅の自慢話や怪奇談に花が咲く。

ところが、旅行生情報をせっせとノートに書き留める私に、皆、アゼン。
またその覗き込んだノートに、かくも詳しく各国の安宿やアルバイト情報、親日家のお医者さんの住所までが書き込んであるので、再びアゼン。
特にイスラエルの農業共同体キブツについて何ページも裂いてある由、

「キミ! ひとりでアフリカや中近東まで行くつもり??
女の子ひとりでなんか行ったら売り飛ばされちゃうよ!」

「甘いねえ、あこがれと現実は違うんだよ。
女の子は、俺たちみたいに道路のわきで寝るわけには行かないんだぜ。」

フランスビールが入ると皆様の口はますますきつくなり、
私を泣かすまでに至ったのでした。  

「日本へ帰れよ。 悪いこと言わないよ。」

「どういう精神構造や。
何の苦労もせえへんと育ったんとちゃうのん?
わかってるんかいな、知らん奴ん中で生きてくっちゅうことが!」





 


パリのユースホステルで


パリのユースホステルで

仙人さんや商社マンさんは、「写真はごめんだ」
って入らなかった。




☆ 写真がなかなか出ない場合は、少し待つか、他のページへ
   行って戻って来ると、出ていたりもします。




  
 

Comments

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する